雑誌Number1085 藤井聡太八冠記念特集号の「読みごたえポイント」紹介

王将戦第一局、初戦から我慢比べが続いていますね。。御覧になっている方も多いと思います。

今回は王将戦ではなく、雑誌Number1085 藤井聡太八冠記念特集号の読みごたえポイントの紹介をしたいと思います。読み逃した方も、気が向いたらぜひどうぞ!中身の詰まった一冊です。

P16「二度の逆転劇に見る藤井将棋の神髄」(勝又教授による解説)

藤井聡太vs永瀬拓矢戦(藤井さんが八冠を達成した王座戦)を勝又教授が解説したもの。

専門的な内容を分かりやすく伝える技術は相変わらず素晴らしい。教授の場合は特に例え話が秀逸。

ちなみに、ご存じない方のために、勝又教授ってこんな人。現役の棋士でもあります。

勝又清和 (@katsumata) / X (twitter.com)

「将棋の対局をマラソンに例えると・・(中略)・・持ち時間を使い切ると1分以内に指さなければならない。言うならばマラソンが突如短距離走に変わるのです。

藤井は競技場に戻ってからのトラックレースで驚異的な強さを発揮します。
40㎞走った後に100mを10秒切るスピードで猛迫・・・

さらに厄介なのが、藤井は罠を仕掛け、障害物レースに持ち込んでくることです。
迷路も作ってルートも変更する。

こんなところにハードルあったけっけ?ゴールはどこだっけ?と対戦相手を迷わせてミスを誘い、その間に抜き去ります」

非常にわかりやすいです。勝又節健在ですね。

P20 永瀬拓矢九段「失冠の痛みはあまりない」

大川慎太郎さんによる、永瀬九段への独占インタビュー記事。

かなり永瀬さんの内面に踏み込んだ内容になっています。

驚いたのが、永瀬さんが体調万全ではなかったということ。

「打ち上げ後に永瀬に電話をすると、驚愕の事実が明らかになった。
熱はないものの、体調が悪くてつらかったんです。先週が一番ひどくて、生まれて初めて対局中に盤がゆがんで見えました」

ただ、これを負けた言い訳にしなかったところが、永瀬さんのプライドだと思いました。

そして、先日永瀬さんの下記の記事も公開されました。捲土重来を期待したいですね。

P26 渡辺明九段「僕と、将棋のこれから」

渡辺明九段のロングインタビュー記事。

あまりにも率直な渡辺さんの発言に、「現役棋士がこんなことまで話して大丈夫なんだろうか?
これからの戦いに不利になるのでは?」

「こんなことまで話してくれた棋士は今まで一人もいなかった。こういう記事を読めて、純粋に嬉しい」という思いが相半ばしました。

色々な意味で貴重な、そして稀有な人なのだと思います。

「(対藤井戦の成績が)4勝20敗ですからね。力関係において差をつけられているのは、もう認めるしかないです。・・(中略)・・僕の視界から藤井聡太さんは一旦消えました

「(筆者)それにしても、渡辺さんほど頭の回転が速い人が、藤井聡太は頭の回転が速いとおっしゃる。すごいことだと思います。

(渡辺)ああ、そうかもしれないですね(笑)。たしかに、自分は頭の回転が速いと言われることが多いので、逆に”この人は頭の回転速いな“と思ったのは人生で初めてかな・・・

AIの本来の開発目的って、人間が楽に暮らすためだったはずじゃないですか。だけど、囲碁界と将棋界だけは、その逆になってるよねってある人に言われて、スッと納得してしまいました。
2つの業界は楽になるどころか、むしろキツくなってる(笑)」

「僕の場合は20歳過ぎてからは基本的に5位以内とかにはずっと入っていました。

基本的にはタイトル争いを続けていたけど、今後はおそらくそれができなくなっていくわけですよ。

じゃあ何位くらいなら自分が満足するのか。

でもそれって、自分というよりは周りからどう見られるかを気にしてるってことでしょう。

10位くらいで“落ちたな”って思われるのを、自分として、耐えられるかみたいな話です

ここまで語ってくれた渡辺さんには、一将棋ファンとして感謝です!!

そして、Numberが、今後も折に触れて将棋を取り上げてくれることを期待したいです!

バンコマ

将棋とプロ野球好き。昔は指す将で今は観る将。広島カープファン。
割とマイペースで暮らしています。

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