NHK杯戦の見どころをご紹介(藤井聡太NHK杯選手権者vs伊藤匠七段 2024/2/4放映)

屈指の好カード

NHK杯戦もいよいよベスト8が出揃いました。ここから先は好取組のオンパレード。

↓NHK杯戦の公式サイトです

対局予定・結果 – NHK将棋 – NHK

そして、今日はいきなり藤井NHK杯vs伊藤七段。決勝戦でもおかしくない屈指の好カード。

対局前のインタビューでは伊藤七段は、

「昨年のNHK杯の雪辱を果たしたい」とのコメントも聞かれました。その意気や良し!です。

伊藤七段の事前の予想通り、戦型は藤井NHK杯の先手角換わり。

変化によっては終盤まで定跡が整備されている戦型でもあり、中盤まではお互いノータイムでの進行。

指し手がどんどん進むので、解説の佐々木八段も鈴木環奈さんも、思わず苦笑い( ´艸`)の展開。

(以下、ネタバレを含みます。ご了承ください)

二人だけの会話

ちなみに、今日リアルタイムで行われている棋王戦第1局も先手藤井棋王で角換わり。

棋王戦のほうも序盤は猛スピードで進んでいきましたが、こちらは早指し棋戦なのでさらにすごい。

解説の佐々木八段も、

「この二人は研究がすごい。角換わりになったら、解説者がおいて行かれるのは予想していた」

と言われていましたが、まさにそんな展開に。

えーっと、佐々木八段もバリバリのA級棋士なんですが。

その佐々木八段をもってして「置いて行かれる」発言。一体どれだけハイレベルなんでしょうか?

角換わりは定跡が膨大で、自分の中で整理するのが大変だ、とのコメントもありました。

そうこうする間に指し手はどんどん進み、局面は中盤戦へ。

お互い、盤を挟んで無言のまま、2人だけしか理解できない会話が濃密に交わされているという印象。

きっと、2人にしか分からない世界、変化、景色が見えていたんでしょう。

そして、ここまでは「伊藤ペースか?(by佐々木八段)」とのことだったのですが・・・

最善手しか指さない

中盤過ぎ、藤井さんが飛車を活用したあたりから、徐々に評価値が藤井良しに傾いていきました。

文字通りの藤井曲線。差がついてからは、もはや伊藤七段に粘る余地は残されていませんでした。

93手で藤井NHK杯の勝ち。

一体、どこで差がついたのか?それがわからないままの圧勝。見ていて呆気にとられました。

対局者の伊藤七段も、直後のインタビューでは敗因がわからない旨のコメント。

負けた上に敗因がわからない。伊藤さんにはきつい負け方だったと思います。

中盤以降、差が付き始めたあたりで、佐々木八段から

「藤井NHK杯は、中終盤では最善手しか指さない」との発言がありました。

ドラマやゲームの主人公じゃあるまいし、と笑いましたが、これが現実なんですよね。

そう言われてみて、あらためてAI候補手とくらべて見ていましたが、藤井NHK杯の指しては、AI候補手の1-2番手の手とほとんど一致。

おそろしやー

連覇を止められる棋士はいるのか?

伊藤七段も開始前のインタビューで警戒していました。

「中盤で差を付けられるので、気を付けたい」と。

それなのに、結果はその中盤で差を付けられての敗戦。

この現状を前にして、果たして対策はあるのか?連覇を止められる棋士はいるのでしょうか?

ただ、止めるとすれば、名誉NHK杯の羽生九段、と予想しておきます。

ともあれ、藤井さんはNHK杯2連覇まで、残り2勝まで迫りました。

次回は羽生九段vs中村太八段の勝者と対戦します。

バンコマ

将棋とプロ野球好き。昔は指す将で今は観る将。広島カープファン。
割とマイペースで暮らしています。

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